脚注と文末脚注の違い:レポート・論文での注の付け方
脚注は注の内容を同じページの下に、文末脚注(後注)は章や論文の最後にまとめて載せる方式です。出典を注で示すか本文中の(著者 年)で示すかは、分野や大学の執筆要領で決まります。迷ったら提出先の指定を最優先にしてください。
最初に:脚注と文末脚注は「注を置く場所」が違う
脚注と文末脚注の違いは、注の内容をどこに載せるかだけです。
| 方式 | 注を置く場所 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 脚注 | その注が付いたページの下 | 注が短く、読みながら確認したいとき |
| 文末脚注(後注) | 章末、または論文・レポートの最後 | 注が長い、または数が多く本文が読みにくくなるとき |
| 本文中の著者年方式 | 本文中の(山田 2022)のような括弧 | 心理学や社会科学など、出典を本文で示す分野 |
本文に注番号(¹、²、³……)を付け、同じ番号の注に内容を書く点は、脚注も文末脚注も同じです。どれを使うかは、書き手の好みではなく提出先のルールで決まります。大学の卒論・修論の執筆要領、学会の投稿規程、授業のシラバスや課題の指示を、まず確認してください。
分野ごとの慣習の違い
日本では、分野によって注の使い方に傾向があります。以下はあくまで一般的な傾向で、実際は学部・学会・指導教員によって異なります。
- 人文系(文学、史学、哲学など):脚注や文末脚注で出典と補足を示す形式が多く見られます。
- 心理学・教育学・社会科学の一部:本文中に(著者 発行年)を入れ、巻末の引用文献リストと対応させる著者年方式が多く見られます。この場合、注は補足説明に限って使います。
- 理工系・医学系:番号を付けて巻末の文献リストと対応させる番号方式(本文に[1]、[2]と入れる)が多く見られます。
- 法学:判例・法令・文献を脚注で示す形式が一般的です。引用の書き方には法学分野の慣習があり、大学や学会の規程を確認する必要があります。
同じ「注」でも、方式が違えば書き方も変わります。授業で見本が配られていれば、それをそのまま真似するのがいちばん確実です。
補足注と出典注を使い分ける
注には、役割の違う2種類があります。
出典注:根拠となる資料を示す
引用や言い換えの出典を示す注です。
本文:近年、大学の初年次教育でレポートの書き方を扱う授業が広がっている。¹
注:¹ 山田太郎『大学生のためのレポート作成入門』〇〇出版、2022年、45頁。
書籍なら著者、書名、出版社、出版年、ページを書くのが基本です。論文なら、著者、論文タイトル、雑誌名、巻・号、ページ、発行年を書きます。ウェブページなら、運営者、ページのタイトル、URL、閲覧日を控えます。細かな順序や記号は規程によって違うため、規程の見本に合わせてください。
補足注:本文に入れると流れが止まる説明を逃がす
本文の論旨から少し外れる説明や、用語の定義、別の見解への言及などを書く注です。
本文:調査は2022年度の入学者を対象に行った。²
注:² ここでいう入学者には編入学生を含めない。
補足注が長くなりすぎると、本文より注のほうが目立つことになります。本文で述べるべき重要な論点は、注に隠さず本文に書きましょう。
注番号の位置:句点の前か後か
日本語の文章で、注番号を句点(。)の前に置くか、後に置くかは、よく迷う点です。
- 句点の後に置く:文全体に対する注にしやすく、多くの論文で使われます。例:……と指摘されている。¹
- 句点の前に置く:特定の語や句にだけ注を付けたいときに使います。例:……と指摘されている¹。
どちらかに統一することが大切で、片方が絶対の正解というわけではありません。引用文のすぐ後ろ、または特定の語の直後に付ける場合は、その位置に置きます。執筆要領に指定があれば従い、なければ全体を通して同じ位置に統一してください。
注番号の字体も、上付き文字にするか、〔1〕のように括弧で囲むかなど、規程で決まっていることがあります。
同じ資料を何度も挙げるときの書き方
同じ資料を複数回挙げる場合の書き方も、分野によって違います。
- 毎回、同じ情報を書く:読み手が迷わず、最も確実です。
- 2回目以降は短縮する:著者名と書名の短縮形とページだけを書く方法です。例:山田、前掲書、60頁。
- 「同上」「同書」を使う:直前の注と同じ資料のときに使う書き方です。
「前掲書」「同上」といった表現は、注が移動したり、後から注を挿入したりすると意味が変わってしまいます。Wordの注を自動で入れ直す機能と相性が悪いため、ミスが心配なら、毎回短縮形を書くほうが安全です。使うかどうかも、分野と規程で決まります。
英語文献を挙げるときの注意
日本語の論文で英語文献を挙げる場合は、英語の書き方に合わせて書きます。
- 著者名は原綴りで書く(Smith, J. のように)
- 書名・雑誌名はイタリック体にする分野が多い
- ページは「p.」「pp.」で示す(日本語文献は「頁」や「p.」)
日本語文献と英語文献が混ざるときは、同じ注の中で書き方がちぐはぐにならないよう、一覧を作ってから揃えると楽です。参考文献リストの並べ順は参考文献と引用文献の違いで説明しています。
Wordで脚注・文末脚注を入れる手順
Microsoft Wordでは、注番号と注の本文を自動で対応させる機能があります。画面の表示は版によって少し違いますが、基本の手順は次のとおりです。
- 注を付けたい位置にカーソルを置く。
- 「参考資料」タブの「脚注の挿入」を押す。文末脚注は同じタブの「文末脚注の挿入」を押す。
- ページの下(または文書の最後)に出た番号の横に、注の内容を入力する。
- 注を途中に追加・削除すると、番号は自動で振り直される。
注の番号の形式や、文末脚注を章ごとにするか文書の最後にまとめるかは、「参考資料」タブの脚注グループの設定から変えられます。手入力で番号を打つと、後から注を足したときにずれてしまうので、必ず挿入機能を使いましょう。Googleドキュメントにも、メニューの「挿入」から脚注を入れる機能があります。
提出前チェックリスト
- 提出先の執筆要領で、脚注・文末脚注・著者年方式のどれを使うか確認した
- 注番号は本文の最初から最後まで連番になっている
- 注番号を句点の前に置くか後に置くか、全体で統一した
- 出典注の書き方(順序、記号、ページの書き方)が全て同じ形式になっている
- 引用や言い換えには、もれなく出典注が付いている
- 補足注が長すぎず、重要な論点は本文に書いている
- 注に挙げた資料は、必要に応じて巻末の文献リストにも載せた
- 英語文献の書き方が、規程の見本と合っている
よくある間違い
- 注の番号を手入力して、追加・削除のたびにずれる
- 脚注と本文中の(著者 年)を同じ資料に二重に付けて、冗長になる
- 補足注に重要な論点を押し込んでしまう
- 「前掲書」を使うのに、前の注が離れていて何の資料か分からない
- ウェブページの注に、閲覧日を書き忘れる
参考文献リストの整形に使えるツール
出典注の書き方は、規程の見本を見ながら自分で整えるのが基本です。書誌情報の整理には、参考文献リスト作成ツールが補助になります。書籍・論文・ウェブページの情報を入れると、APA、MLA、シカゴ、ハーバード、IEEEの形式で参考文献と本文中の引用を作ります。ブラウザ内で動く自動処理で、日本語文献の「頁」や、日本の大学で使われる書き方には合わせていません。ページを示す語が英語になることがあるため、結果は必ず提出先の見本と見比べて直してください。
引用や言い換えの扱いそのものについては、コピペを避ける方法で手順を整理しています。
まとめ
脚注は同じページの下、文末脚注は章や文書の最後に注を置く方式で、出典を注に書くか本文中の括弧で示すかは分野で決まります。出典注と補足注を分け、注番号の位置と書き方を統一し、Wordの挿入機能で番号を管理しましょう。最終的な基準は、提出先の執筆要領と指導教員の指示です。
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よくある質問
脚注と文末脚注はどちらを使えばよいですか?
提出先の執筆要領に従います。指定がなければ、注が短く数も少ないときは読みながら確認できる脚注、注が長い場合や数が多い場合は文末脚注が向いています。迷ったら、授業の見本や指導教員に確認してください。
注番号は句点の前と後のどちらに付けますか?
文全体への注なら句点の後、特定の語への注ならその語の直後に付けるのが一般的です。どちらも使われているため、規程に指定があれば従い、なければ文書全体で位置を統一してください。
脚注を使うとき、巻末の参考文献リストは不要ですか?
分野や大学によって異なります。脚注に書誌情報を全て書くので不要とする場合もあれば、巻末にも一覧を求める場合もあります。執筆要領や授業の指示を確認し、迷ったら一覧を付けておくと安全です。
Wordの脚注番号がずれるときはどうすればよいですか?
番号を手入力していないか確認してください。「参考資料」タブの「脚注の挿入」で入れた注は、追加や削除をすると自動で連番に振り直されます。手入力の番号は、挿入機能で入れ直すと直ります。
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