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論文の主張の書き方|レポートの「問い」と「主張」を立てる方法

AdeptWrite編集チーム更新日 10 分で読めます

主張(テーゼ)とは、レポート全体で証明する一つの立場を一文で言い切ったものです。「問い」は答えを探す疑問文、「主張」はその答えとして自分が示す結論です。事実の説明では主張になりません。反論が成り立ち、根拠で支えられる文にしてから、序論の終わりに置きます。

結論:「問い」を立て、その答えを一文で言い切ったものが主張

大学のレポートや卒業論文で求められる「主張」(英語のthesis statement、日本語では「テーゼ」「論旨」「結論命題」とも呼ばれます)は、レポート全体を通して証明する、たった一つの立場を述べた文です。

押さえる点は次の3つです。

  1. 「問い」は疑問文、「主張」はその答えの文。問いに「なぜ」「どのように」「~すべきか」の形で答えたものが主張になります。
  2. 事実の記述は主張ではない。「少子化が進んでいる」は誰も反論しない事実です。「少子化対策は、現金給付より保育の供給拡大を優先すべきだ」なら、賛否が分かれ、論じる意味があります。
  3. 主張は序論の終わりに置き、結論で言い直す。読み手は序論でレポートの行き先を知り、結論でそれが示せたかを確かめます。

この記事では、問いと主張の違い、弱い主張と強い主張の比較、反論と根拠の探し方、一文に書く型、そしてよくある失敗を、日本の大学の課題に沿って整理します。

「問い」と「主張」の違い

課題が出ると、多くの人は「テーマ」から書き始めます。しかしテーマは範囲を示すだけで、何を論じるかを決めてはいません。テーマ、問い、主張は次のように絞り込まれます。

段階例性質
テーマ日本の地方の人口減少範囲を示すだけ。調べることはできるが、論じる方向がない
問い地方自治体の移住支援は、人口減少の抑制に役立っているか答えを探す疑問文。調べて初めて答えが決まる
主張移住支援は一時的な転入を増やしても、仕事と住まいが続かなければ定着につながらないため、補助金より就労先の確保を優先すべきである問いへの自分の答え。根拠を挙げて支える

ゼミの指導では「問いを立てなさい」とよく言われます。問いが立つと、調べる対象が決まり、集めた資料から答えが見えてきます。主張は、調べた後で更新してよいものです。最初に立てた仮の主張(仮説)が資料と合わなければ、書き直します。それはレポートの失敗ではなく、通常の作業です。

良い問いの条件

  • 「はい・いいえ」だけで終わらず、理由まで答えが必要になる。
  • 資料や調査で答えを裏づけられる(個人の好みでは決まらない)。
  • 提出期限と字数で扱いきれる大きさである。2,000字のレポートで「日本の教育問題」は大きすぎます。

事実の記述と主張を区別する練習

主張にならない典型は、「事実の記述」「単なる好み」「テーマの宣言」の3つです。次の文を、自分で判定してみてください。

文判定理由
日本の労働力人口は減少している。事実統計で確認できる。論じる余地がない
在宅勤務は素晴らしいと思う。好み「素晴らしい」の基準がなく、根拠で検証できない
本レポートでは在宅勤務について述べる。宣言何を主張するかが書かれていない
在宅勤務は、通勤時間の削減よりも、評価制度が整っているかどうかが生産性を左右する。主張反論でき、根拠で支えられる

見分ける簡単な方法は、その文に反対する人を想像できるかを確かめることです。「労働力人口は減少している」に反対する人はいません。「評価制度が生産性を左右する」には「いや、通勤の負担のほうが大きい」と反論できます。反論がありうる文だから、論じる価値があります。

弱い主張を強い主張に直す例

具体的な書き換えを見ましょう。

例1:スマートフォンと学習

  • 弱い:スマートフォンには良い面と悪い面がある。
  • 強い:高校の授業でのスマートフォンの利用は、全面禁止ではなく、調べ学習に限って許可するほうが、学習の効果を損なわずに済む。

弱い文は「どちらにも良い面と悪い面がある」という誰でも言える内容で、結論がありません。強い文は、立場(限定的に許可)と判断の基準(学習の効果)が見えます。

例2:レジ袋の有料化

  • 弱い:レジ袋の有料化は環境に影響を与えた。
  • 強い:2020年7月に始まったレジ袋の有料化は、プラスチックごみ全体の削減よりも、消費者の意識を変えた点にこそ意義がある。

後者のように年月を入れるときは、必ず資料で確かめた事実だけを書きます。レポートの主張に使う数字や日付は、出典を示せるものに限ります。

強い主張の4つの特徴

  1. 立場がある:賛成か反対か、AかBか、どの要因が最も重いか、が分かる。
  2. 範囲が絞られている:対象、時期、場所が決まっている。
  3. 理由の方向が見える:「~ため」「~によって」で、根拠の種類が予告される。
  4. 字数で証明できる:2,000字なら論点は2つか3つまで。

反論に耐える根拠の探し方

主張を立てたら、書き始める前に、次の手順で根拠を集めます。

  1. 主張を仮の一文にする(後で直してよい)。
  2. 反対の立場を一文で書く。自分に反対する人は何と言うかを想像します。
  3. 両方に資料をあてる。賛成の根拠だけでなく、反対の根拠も探します。
  4. 資料の種類を確かめる。政府統計(e-Statなど)、白書、学術論文、新聞記事、書籍で、信頼性の度合いが違います。ブログやまとめサイトは、一次資料にたどれる場合を除き、根拠に使いません。
  5. 反論への答えを書く。「確かに~という見方もある。しかし~」の形で、反対意見を取り込みます。

反論に触れないレポートは、一方的で説得力が弱くなります。反論を紹介して応じる段落が一つあるだけで、主張は強くなります。

引用の形式は、学部や授業で指定が異なります。担当教員の指示(シラバスやレポート要領)を最優先にしてください。形式の違いは、脚注と文末脚注の使い分けや参考文献リストの書き方で整理しています。

主張を一文で書く型

迷ったら、次の型に当てはめて下書きし、後で自然な日本語に整えます。

理由つきの主張:「【対象】は、【理由】ため、【立場】である。」

例:「大学の第一学年の必修科目にレポート作成講座を置くことは、学習の習慣を早く身につけさせるため、有効である。」

対比つきの主張:「【A】よりも【B】のほうが、【基準】の点で重要である。」

例:「地方の移住促進では、補助金の額よりも、就労先の確保のほうが定着の点で重要である。」

条件つきの主張:「【条件】が満たされる場合に限り、【主張】と言える。」

例:「AIによる下書きの利用は、授業が認め、出典と利用の事実を明示する場合に限り、学習として認められうる。」

文体と文末

日本語のレポートでは、主張の文末を「である」で言い切るのが基本です。「~と思う」「~ではないだろうか」は、主張をぼかします。「だ・である調」に統一する理由は、です・ます調とだ・である調の使い分けにまとめています。

ただし、断定してよいのは根拠がある範囲です。研究で確かめきれない内容は「~と考えられる」「~と言える」を使います。証拠が足りないのに「必ず」「明らかに」と書くと、かえって説得力を失います。

主張を置く位置と、全体の組み立て

典型的なレポートの構成は次のとおりです。

  1. 序論:背景、問い、主張、構成の予告。
  2. 本論:主張を支える論点を2〜3つ。反論と応答を含める。
  3. 結論:主張を言い直し、論じてきた内容を要約し、残る課題を示す。

主張は、序論の終わり近くに置きます。序論の書き方は序論の書き方、結論で主張をどう言い直すかは結論の書き方を参照してください。レポート全体の流れはレポートの書き方で確認できます。

序論と結論の主張が食い違っていると、読み手は混乱します。書き終えてから、序論の主張を結論に合わせて直すのは、よくある実用的な手順です。

よくある失敗と直し方

失敗例直し方
大きすぎる「教育の問題点を論じる」対象、時期、場所を絞る
事実の羅列「~は~年に始まった」で終わる「だから何か」を一文で足す
感想で終わる「大切だと思う」基準と根拠を明示する
複数の主張一文に3つの結論一番大事な一つに絞る
結論と食い違う序論と結論の立場が違う書き終えてから序論を直す
資料の要約で終わる本の紹介が中心自分の判断を序論と結論に置く

提出前のチェックリスト

  • 主張が一文で書けている。
  • その文に反対する人を想像できる(反論がありうる)。
  • 「問い」に対する答えになっている。
  • 字数で証明できる大きさである。
  • 根拠の資料の出典、調査年、調査対象を示せる。
  • 反対意見に一度触れ、応じている。
  • 序論の主張と結論の主張が一致している。
  • 「と思う」「かもしれない」で主張をぼかしていない。
  • 課題の指示(字数、形式、引用方法)に従っている。

AdeptWriteの使い方

AdeptWriteは、主張を考える作業そのものを代わりに行うものではありません。主張の中身は、資料を読んだ書き手が決めるべきものだからです。ただし、書いた後の整え作業には使えます。

  • 文章推敲ツールは、ねじれた文や回りくどい文を読みやすく整えます。主張の文が長くなりすぎたときに、直し案の参考にできます。
  • AI文章校正ツールは、誤字脱字や助詞の誤り、不自然な表現を指摘し、直した箇所をハイライトで示します。
  • アウトライン作成ツールは、主張と論点を並べた骨組みの下書きづくりに使えます。出力は参考案で、論点の妥当性は自分で資料に照らして確かめます。

AIの出力は、誤りを含むことがあります。提出するレポートの内容と責任は書き手にあります。AIの利用について大学や授業にルールがある場合は、必ずそれに従ってください。

ツールを試す

構成案・アウトライン作成ツール
1つのテーマから、記事・小論文・卒業論文・プレゼン資料の構成案を作ります。
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文章推敲ツール
硬い文、ねじれた文、回りくどい文を、読みやすく自然な文に整えます。
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AI文章校正ツール
誤字脱字、助詞の誤り、不自然な表現をAIが校正し、直した箇所をハイライトで示します。
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よくある質問

「主張」と「結論」は同じものですか。

近い関係ですが、置く位置が違います。主張は序論で示す「これから証明する立場」、結論は本論を終えて「示せたこと」をまとめたものです。内容は一致させ、結論では主張を言い直したうえで、残った課題にも触れます。

主張は書き始める前に決めなければなりませんか。

仮の主張を先に立てるのがおすすめですが、確定は不要です。資料を読むうちに考えが変わるのは普通で、その場合は書き直します。提出前に、序論の主張と結論が一致しているかを必ず確かめてください。

「~と思う」と書いてはいけませんか。

主張の文末では避けるのが一般的です。「と思う」は個人の感想に見え、根拠で証明する姿勢が弱まります。根拠がある範囲では「である」、確かめきれない部分では「と考えられる」を使い分けます。ただし課題の指示が優先です。

2,000字程度のレポートでは、主張はいくつ立てればよいですか。

主張は一つに絞ります。論点(主張を支える理由)は2〜3つが目安です。複数の主張を並べると、どれも十分に論じられなくなります。字数が少ないほど、対象と範囲を狭めることが大切です。

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