日本語の表記・文法・敬語

です・ます調とだ・である調の違い|レポートとメールでの使い分け

AdeptWrite編集チーム更新日 8 分で読めます

です・ます調は読み手に語りかける敬体、だ・である調は事実を言い切る常体です。大学のレポートや論文は常体、メールや案内文は敬体が一般的ですが、提出先の指示が最優先です。どちらを選んでも、一つの文書の中で混ぜないことが最も大切です。

敬体と常体:まず違いを押さえる

日本語の文章は、文末の形で「敬体」と「常体」に分かれます。

呼び方別名文末の形受ける印象
敬体です・ます調〜です、〜ます、〜でした、〜ません丁寧、読み手に語りかける
常体だ・である調〜だ、〜である、〜した、〜ない簡潔、客観的、言い切る

同じ内容でも、次のように印象が変わります。

  • 敬体:この調査では、多くの学生が「時間が足りない」と答えています。
  • 常体:この調査では、多くの学生が「時間が足りない」と答えている。

(文体の違いを示すための例文です。実際の調査結果ではありません。)

常体の中にも「だ」を使う形と「である」を使う形があり、「である」のほうが硬く、論文で好まれます。「だ」はエッセイや解説文で使われ、やわらかい印象になります。

どちらを使うか:場面別の目安

文体には絶対の決まりがなく、場面の慣習で選びます。次の表は一般的な目安です。

場面一般的な文体補足
大学のレポート・卒業論文常体(だ・である)授業や学部の指示があれば従う
学術論文常体(である)投稿規程を確認する
ビジネスメール・社外文書敬体(です・ます)敬語と合わせる
社内の報告書・議事録どちらも可職場の慣習に合わせる
就活のエントリーシート敬体が多い募集要項の指定があれば従う
自己PR・志望動機の文章敬体が一般的常体を指定される例もある
ブログ・解説記事敬体が多い読者との距離で選ぶ
新聞・ニュース記事常体媒体の用字用語集に従う

迷ったときは、次の順で決めます。

  1. 提出先・投稿先の指示(課題文、募集要項、投稿規程)を確認する。
  2. 指示がなければ、過去に評価された文書や同じ職場の文書を見る。
  3. それもなければ、読み手に語りかける文書は敬体、事実や論証を述べる文書は常体にする。

混在してしまう典型例

文体の混在は、読み手に「推敲していない」という印象を与えます。起こりやすいパターンは次のとおりです。

混在のパターン悪い例直した例(常体)
文末が途中で変わる本研究では、三つの仮説を立てた。第一の仮説は次のとおりです。本研究では、三つの仮説を立てた。第一の仮説は次のとおりである。
丁寧な前置きが残る結論から言うと、この方法が有効だと思います。結論から言うと、この方法が有効だと考える。
引用を受ける文末先行研究は有効性を示している、と述べています。先行研究は有効性を示している、と述べている。
括弧の中だけ別の文体実験を行った(結果は後で述べます)。実験を行った(結果は後述する)。
会話文以外の口調〜ということなんです。〜ということである。

混在してよい場面

ただし、一つの文書の中でも、文体を変えてよい場面があります。

  • 引用文:他の文書から引用する部分は、原文の文体のままにします。
  • カギ括弧の中の会話文:インタビューの発言などは、話者の言葉のまま書きます。
  • 箇条書きや見出し:体言止めや名詞句だけで構いません。
  • メールの結び:本文が敬体でも、箇条書きの項目は体言止めにできます。

本文の地の文は、どちらかにそろえてください。

敬体の落とし穴:「です」「ます」の連続

敬体では、文末が「〜です。〜です。〜です。」のように単調になりがちです。常体のレポートでも、「〜である。〜である。」と続くと、機械的な印象になります。文末を変える方法は、次のとおりです。

方法変更前変更後
体言止めを一度だけ入れる結果は次のとおりです。結果は次のとおり。(箇条書き前など)
述語の種類を変える〜と考えられます。〜と考えられます。〜と考えられます。〜が示唆されます。〜といえます。
問いかけを挟む次に、原因について説明します。では、原因は何でしょうか。
主語や接続を変える結果は〜です。原因は〜です。結果は〜です。この原因は、〜にあります。
過去・現在を使い分ける実験を行います。結果は〜です。実験を行いました。結果は〜です。

常体では、「〜である」「〜だ」「〜と考えられる」「〜といえる」「〜が示唆される」「〜ではないか」などを文脈に応じて組み合わせます。ただし、論文では推測を表す語を使い過ぎないよう注意が必要です。根拠のない断定を避けつつ、事実と考察を区別して書きます。

話し言葉を書き言葉に直す表

レポートや報告書では、話し言葉をそのまま書くと、文体が合わなくなります。よくある例を表にまとめます。

話し言葉書き言葉
すごく、とても、めっちゃ非常に、極めて、大変
〜っていう〜という
〜ちゃう、〜ちゃった〜てしまう、〜てしまった
〜じゃない〜ではない
〜けど〜が、〜けれども
だから、なのでしたがって、そのため
でもしかし、ただし
ちょっと、少し若干、わずかに
やっぱり、やっぱやはり
いろんないろいろな、さまざまな
どんどん次第に、急速に
ぜんぜん〜ないまったく〜ない、全く〜ない
〜と思う〜と考える、〜と思われる
あと、それとまた、さらに
〜みたいな〜のような

「〜ら抜き言葉」(「見れる」「食べれる」)も話し言葉として扱われるため、書き言葉では「見られる」「食べられる」に直します。公的な文書や論文では避けるのが無難です。

敬体を常体に、常体を敬体に直す例

実際の書き換えで、何が変わるかを見てみましょう。

敬体のメール文面

お世話になっております。先日ご依頼いただいた資料を、本日お送りしました。ご確認のほど、よろしくお願いいたします。

同じ内容を常体の報告にしたもの

先日依頼を受けた資料を、本日送付した。確認を依頼している。

メールの敬体は、敬語(尊敬語・謙譲語)とセットで使います。常体の文章には敬語を入れないため、「お送りしました」のような謙譲語は、「送付した」のように客観的な動詞に変わります。敬語の使い分けは敬語の使い方で整理しています。

レポートの下書きを直す例

  • 下書き:この問題について、私はすごく大切だと思います。なぜなら、みんなが困っているからです。
  • 直した例:この問題は、極めて重要であると考える。なぜなら、多くの人が困難を感じているからである。

直したポイントは三つです。「私は」を省き、「すごく」を「極めて」に、「みんな」を「多くの人」に変えています。レポートでは「私は〜と思う」を重ねるより、根拠を示して「〜と考える」と述べるほうが説得力があります。

文体をそろえる手順

  1. 文書の最初に、敬体か常体かを決める。
  2. 全文を通して読み、文末の「です・ます」と「だ・である」を探す。
  3. 混在があれば、引用と会話文を除いて、決めた文体に統一する。
  4. 「すごく」「〜っていう」などの話し言葉を書き言葉にする。
  5. 同じ文末が三回続いたら、一部を言い換える。
  6. 最後に声に出して読み、不自然な箇所がないか確かめる。

AdeptWriteで文体を整える

敬語・文体変換ツールは、入力した文章をフォーマル、ビジネス、カジュアルの文体に書き換えます。チャットのような口調の下書きを、メール向けの丁寧な文面に整えるときに使えます。レポート用に常体へ直したい場合は、出力を自分で確認して調整してください。

文のねじれや回りくどい表現は文章推敲ツールで整えられ、表記の誤りの確認にはAI文章校正ツールが使えます。1回に入力できるのは6,000文字までです。AIの出力は提案なので、文体が一貫しているか、意味が変わっていないかを、提出前に自分で読んで確認してください。

句読点の打ち方については句読点とカギ括弧の使い方も参考にしてください。

まとめ

レポートや論文は常体、メールや案内文は敬体が一般的ですが、最優先は提出先の指示です。選んだ文体を最後までそろえ、話し言葉を書き言葉に直し、文末の単調さを避けるだけで、文章は大きく読みやすくなります。

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よくある質問

レポートは「です・ます調」でも構いませんか。

授業や学部の指示によります。一般に大学のレポートや論文は常体の「だ・である調」が多く使われますが、敬体を認める課題もあります。課題文や提出要項に指定があればそれに従い、指定がなければ常体にしておくと無難です。どちらでも文書内で統一してください。

だ・である調の「だ」と「である」はどう違いますか。

「である」は硬く、論文や評論で好まれます。「だ」は同じ常体でもやわらかく、エッセイや解説文に向いています。レポートでは「である」を基本にし、「だ」を混ぜるときも、文書全体で偏りが出ないようにそろえるのが無難です。

敬体と常体が混ざったときは、どう直しますか。

まず文書全体を読み、文末が「です・ます」か「だ・である」かを一文ずつ確認します。引用文と会話文を除いて、決めた文体に統一します。AdeptWriteの敬語・文体変換ツールで書き換えることもできますが、結果は必ず自分で確かめてください。

就活のエントリーシートはどちらで書きますか。

一般には敬体の「です・ます調」が多く使われます。ただし、企業の募集要項や設問に指定がある場合はそれに従います。文体を混ぜないことと、「御社」「貴社」などの敬語表現を正しく使うことが、どちらの場合も共通して大切です。

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